風景印探偵事務所~続風景印の風来坊

風景印や芸能などの記事を書いているフリーライター・古沢保のブログです。

2008年11月14日< >四谷郵便局おまけ・国立競技場と東京国際女子マラソン

 さて四谷局に描かれている国立競技場で、16日に東京国際女子マラソンが開催されました。<296>でも書いたとおり私は大のマラソンファンで、8歳の時に第1回東京国際女子マラソンをテレビで見て以来、私にとって国立競技場といえば東京国際女子マラソン。新宿に住んでからは沿道や競技場で応援するのが年一度の楽しみで、高橋尚子選手の復活も敗退も、野口みずき選手の快勝も生で見ました。本大会は今年第30回で終了し、来年からは横浜に移るので、絶対見ねばと気合も例年以上でした(本当はQちゃんが三大大会を全部出ると宣言していたので、それが見られるのも楽しみにしていたのですが、突然の引退で叶わず。でも、今でもファンです)。 画像 スタート前から四谷三丁目の交差点で待機。約1000人が参加する大会なので、大集団が前を通り過ぎる足音はザッザとものすごい迫力ですし、新宿通りを選手の長い集団が走っていく様は壮観です。国立競技場へ移動すると、大スクリーンでテレビ中継が流れています。時々雨が降る中、数百人の熱心なファンが傘を片手に見守ります。  レースの結果はご存知の通り、序盤から渋井陽子選手が飛ばしましたが終盤の坂で逆転した尾崎好美選手が優勝。私が応援していた加納由里選手は2位、マーラ山内選手が3位で渋井選手は4位でした。渋井選手が抜かれる瞬間は観客からどよめきと嘆息が洩れ、あちこちから「前半抑えればよかったのに」「でも頑張ってるよ」と声が上がります。この感じが家でテレビを見るのと違って楽しいんですよね。 画像 競技終了後、テレビでは放送されない表彰式も見ました。8位入賞者までが参加するので、敗退した渋井選手はどうするのかなと思いましたが、ちゃんと登場しました。個人的には渋井選手のキャラクターはあまり好きではなかったのですが、今回は本当に可哀相でした。多分ずっと堪えていたのだと思いますが、4位のメダルをかけられた瞬間に、我慢しきれずに両手で顔を覆って泣き出してしまい、隣のマーラ選手が気遣って肩に手をかける場面もありました。渋井選手は後半で失速する同じ失敗を何度も繰り返してきて、でも今年は20代最後なのでかなり期するものがあったと思います。日本選手権の1万mで優勝し、2週間前の東日本実業団女子駅伝でも快走しており、今までとは違う走りを見せていただけに、今回は勝つかなと私も思っていたのですが…。でも最後にはファンに向けて笑顔を見せており、ちょっと人生を感じました。  一方、優勝した尾崎選手は、一時は4位まで落ちながらものすごい粘りで逆転。あまり速さを感じさせないフォームですが、スパートする時の一気の追い抜きはものすごく、今までにあまりいなかったタイプの選手で今後が楽しみです。  これまでたくさんの感動を与えてくれた大会に感謝するとともに、来年以降はもう見られないのかと思うと、心にぽっかり穴が開いた気分です。  *単行本『東京「風景印」散歩365日』もご覧下さい!