風景印探偵事務所~続風景印の風来坊

風景印や芸能などの記事を書いているフリーライター・古沢保のブログです。

2009年7月31日金曜日<104>町田大戸郵便局・円林寺大賀蓮と大戸晩鐘

画像画像 東京都下でもかなり端っこと思われる町田市西部に、電車とバスを乗り継いでやって来ました。「大戸の晩鐘」は1596年に建立された大戸観音堂の鐘楼門。ここから先は秩父、高崎方面に向う鎌倉街 画像道、山道に入る目印でもあったのです。鐘楼には小さな木の梯子が付いているので、もちろん昇ります。すると当時の風景を詠った和歌も鐘に彫られていました。「夕かすみ たつや大戸の 鐘の音に 妻木を負ふて 帰る里人」。江戸時代の村人の暮らしが目に浮かぶようです。 画像 11:50、男性局長さんに押してもらいながら、図案のお囃子は今日あるんですよねと話を振ると「よくご存知ですね! 田舎ですから町の小さなお祭りですけど」と。そして「これは円林寺の蓮で…」というので、実はこの蓮のことが分からなかった私、食いつきました。町田市内には薬師池公園という蓮の名所がありますが、ちとここからは遠すぎると思っていたのです。そうしたら局の並びにある円林寺が蓮に謂れのある寺だというではありませんか。ありがたい情報、その足で円林寺に向かうと、確かに大輪の大賀蓮が咲き誇っており、しかも「株分け第1号」という説明板もあります。大賀蓮は1951(昭和26)年に千葉県検見川遺跡から2000年前の蓮の実が発掘され、大賀一郎博士が発芽に成功させたため、古代蓮とも呼ばれます。その株分け第1号が何で町田に?ということですが、円林寺の住職はかつて府中市役所に勤めており、博士も府中在住だった縁で1号株分けされたのだとか。そして薬師池公園の蓮は当寺から孫分けされたものだったのです。ネットには載っていない情報だったので、聞けてよかったです。